この間、家からバスで15分くらいの場所にある韓国料理屋に出かけたのですが、レジの横に「ロンドンの韓食マップ」が置いてありました。これがそのマップの表紙です。
で、その発行元の1つとして、「韓食世界化推進委員会」とハングルで書かれていました。おそらく韓国政府の肝煎りでできた委員会なのでしょう。
韓国が国を挙げて韓国料理、つまり「韓食」の世界化を推進している、という話を聞いたことがありましたが、このマップも、そういった「韓食の世界化」キャンペーンの一環なのでしょうね。
韓国料理、僕も好きですよ。特にスープものが。例えば、スントブ(=純豆腐。おぼろ豆腐のようなものなのでしょうね。)チゲとかキムチチゲとか。四川料理や湖南料理を普通の日本人よりも多く食べている僕とすれば、韓国料理に特徴的といわれる辛さも、僕にはむしろ適度な甘みのある辛さに感じられ、それもまた魅力なのだと思っています。
それにしても、韓国政府は、なぜ国を挙げて自国の料理を「世界化」すべくPRするのだろうか、とふと考えてしまいます。そんなことをしなくても、おいしければ確実に受け入れられるはずだし、そうなる力が韓国料理にない、とは思えないのに(たとい広く受け入れられなくても、コアなファンはできることは間違いないと思います。)。実際、以前住んでいたボーンマスには、韓国人も認めるおいしい韓国料理屋があったのですが、もとハウスメイトのスペイン人のA嬢などは、そこの韓国料理の味が忘れられず、一旦帰国してまたボーンマスに戻ってきた時に、早速その店に行ったとか。このA嬢は、その韓国料理屋によって確実に韓国料理ファンになったはずです。
もちろん、何らかの理由で韓国料理が嫌いな人、というのもいるはずですが、それは全く自然な話で、単に「口が合わない」だけのこと。こと味覚は主観的要素が強く、「万人に好かれる」ものなどないんじゃないか、と思います。
なので、韓国料理も、何も無理して国を挙げてPRせずとも、草の根で十分広まっていけばいいのに、と他人事ながら思ってしまうんですよね。
もっとも、韓国人ではなく、かつ、韓国の外に住んでいる僕の超個人的見解としては、次のようなことに配慮する必要はあるのかな、と思いますが。
(1)無理に気取らない。
・・・宮廷料理のような高級感で攻めるよりは、むしろチゲ、チャプチェ、トッポギなどの家庭料理で攻めた方が確実。高級感を前面に出さずとも世界で広まりうるのは、例えばタイ料理、ベトナム料理、そして四川料理などが実証していると思います。
(2)無理に他国の料理と「抱き合わせ」をしない。
・・・イギリスでも、例えば韓国料理屋が日本料理を併せて出すケースがまま見られますが、あれは日本料理としてダメダメなのはいうまでもなく、韓国料理自体もだめにしているんじゃないかな、と思うんですよ。韓国人が韓国料理に真にプライドがあるならば、韓国料理一本で戦うべきと思うのは、僕だけでしょうか?
(3)無理に進化させない。
・・・現地人の口になじむように自然に「進化」することはありでしょうが、まずは基本に忠実なもののほうがかえってウケが良いのではないでしょうか? どんな国の料理でも、食べ慣れると、結局、最もスタンダードなものに回帰するように思うんですよ。僕の場合には、四川料理だと魚香肉絲とか、麻婆豆腐とか。日本料理だと、出し巻き玉子とか、煮物とか、焼魚とかかな。あとはお茶漬け(この間親が、僕の好きなブランドのなめ茸を送ってくれて、気分は最高!!)。
まあ、急いては事を仕損じる、というところでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿