2011年5月29日日曜日

南海岸鉄道横断

イギリスは、この週末はまたもやBank Holydayということで、月曜日を含めた三連休です。
Bank Holydayというのは、ご存知の方もいると思いますが、まあ、祝日のようなものです。でも、もともとの意味は、文字どおり「銀行が休みとなる日」であって、「銀行が休み」⇒「経済活動ができない」⇒「よってみんなも休まざるを得ない」⇒「休日」といった連想ゲームの世界と聞いたことがあります。日本が祝日がやたら多い理由が「日本人は自分から休日を申請することをはばかる性質のため、国が強制的に休ませる」ことにあるという、嘘か本当か分からない話を聞いたことがありますが、休日に関する日英の労働者の感覚の違い、みたいのが感じられるような気がしませんか?

さて、そんな前置きはさておき、三連休に家に引きこもっているのもなんだか芸がない、ということで、どこか日帰り旅行をしようということにしたのですが、この間ヨーロッパ大陸旅行を敢行した身としては、ややおサイフの紐も締めたいところ。ということで、「地球の歩き方」をパラパラめくりつつ、鉄道会社のHPで安いチケットが出ているところがないかを探していたところ、ライ(Rye)という街まで往復一人20ポンドという、なかなかお値打ち感のあるチケットを発見、ここに行こうということを金曜日の夜に決定したのでした。

でも、ライまでの道のりは、乗り換え2回で合計4時間以上!場所としては、サセックス州ということで、ロンドンから真南のブライトンのまだまだ東。どちらかといえばドーヴァーに近い場所になります。なので、今日は思い切り早起きをして、朝の7時前の列車に乗り込んだのです。
ボーンマスから1回目の乗り換えのサザンプトンまでのオペレーターは、僕らも割となじみのあるSouthwestという鉄道なのですが、それから先は、Southという別の鉄道会社。この列車がかつて紹介したウェールズの大西部鉄道と同様、3両とか2両とかの短編成で、かつ、もううんざりするくらいたくさんの駅に止まります(要は、急行サービスがなく、各駅停車しか走っていないということですね。)。これじゃあ時間もかかるわけです。少し離れたところに座っていたイギリス人も、サザンプトンからブライトンまでの1時間40分ほどの行程のだいぶ後になって、「え~、まだあと6駅もあるの」などとぼやいていましたから、イギリス人にとっても実際うんざりな運行なのでしょう。

で、Southの列車は、相変わらずの汚さ。小鴨はトイレに行ってそのあまりの汚さにショックを受けていました。イギリスって、一見ちゃんとしているようで結構ちゃんとしていないことが多いのですが、鉄道の汚さはなかなかのものです(かつ、それをイギリス人たちが自虐ネタにしつつも一向に改善がなされないこともまたイギリスらしいところです。)。


座席も汚れっぱなし。手前の座席の正体不明な白いカピカピしたものは一体何なんだ!?
これでも、終着駅では、掃除のおばちゃんがごみを片付けてるんですよね。ちなみにその袋はごみで一杯になることは言うまでもありません。


車内。これは帰りの列車ですが、行きもこれと同様、サザンプトン―ブライトン間の座席はガラガラでした。で、時々おっさんやガキんちょが酒盛りをしていました。

まあ、4時間かけてライについたのですが、ライは、思った以上に小さな町でした。うん。確かに中世の面影を残す小石で舗装された道や小さい路地など、なかなか魅力的な町ではありましたが、2、3時間あれば基本アイテムは一通り見尽くせるほどの小ささです。加えて、今日は風がものすごく強くて肌寒く、なかなか観光に集中できなかったことも事実。
でも、普通の家々に至るまで、かわいらしく小物を置いてみたり、生垣を工夫しているなどしている点はとても興味深く、そういった意味でもイギリスらしい場所なのかもしれません。たとえば、こんな風に。






こう見ると、イギリスの植物を使ったデコレーションの必須アイテムは、バラのようにも思えますね。ただ、例えば我が実家のような典型的郊外型和洋折衷の一軒家には、しっくり来にくいんじゃいなかなぁ。それに、バラは虫がつきやすくて手間がかかるというし。

で、次の写真が、ライでは一番有名だという、マーメイド通りです。余り写真ではぴんと来ないかもしれませんが、道の両脇には瀟洒なホテルがあったりして、地味は地味ですが建物自体の魅力は無視できません。


で、一通り観光を終えた僕たちは、まだまだ帰りの列車までだいぶ時間があったので、ツーリストインフォメーションセンターで紹介された、ウィンチェルシーという近隣の村にいってみようということにし、バスがなかなか来ないこともあって、タクシーで訪れたのでした(チップ込みで7.5ポンドだったので、まあ許容範囲でしょう。)。
でも、このウィンチェルシー村、確かに観光地化されていない素朴な村なのですが、逆に言えばただそれだけ。加えて高台にあるので、強い海からの風がまともに吹きつけてきます。で、小鴨が寒くて耐えられないと言い出したために、ちょうどやってきたバスに乗ってライに戻ったのでした。よって、ウィンチェルシー滞在時間はおよそ10分。まあ、どこかの入場料のかかる建物に入ったと思えばよいか?

(なお、小鴨は、過日のヨーロッパ旅行で1500枚以上写真を撮ったこともあり、写真を撮る行為自体にやや食傷気味。今回は、30枚ほどしか撮っていないようです。)

その後、ライに戻った僕らは食事をしたり、店を冷やかしたりしたのですが、それでも時間が余って、結局予定より1時間早い列車で帰りました。
でも、この列車、ブライトン―サザンプトン間で、行きよりも停車駅が多く、結局この区間で2時間半かかりました。なので、帰りは、結局4時間半かかってしまったのでした。

で、今日の時間配分一覧。
移動(ボーンマス―サザンプトン―ブライトン―ライ):9時間弱
ライ滞在:5時間強
ウィンチェルシー滞在:約30分(往復の移動を含む!)

…うーん、こう考えると、今日の最大のアトラクションは実は鉄道だったってこと?
9時間で一人20ポンドならば、なかなかお得なアトラクションだったのかな?うん、そういうことにしましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿