2011年4月27日水曜日

お城めぐりにゲイの宿(ウェールズ旅行その2)

今回は、ホテル予約サイトでものすごい評判が良かったB&Bに投宿しました。
ここの一番の特徴は、ゲイカップルが経営しているということかもしれません。
僕自身、正面からカミングアウトしている人とは初めて接する(後から聞いてゲイらしい、という人は複数知っておりますが)ので、何かこう、偏見ではないけれども緊張感がなかったといえば嘘になります。でも、実際に話をしていると、別に何てこともありませんでした(まあ、一人は話し方が少し女性っぽかった気もしないわけでもありませんが。)。
宿屋の仕事と個人のセクシュアリティとは全く関係ない、という当たり前の事実を再認識した次第です。
で、二人とも非常に親切で、かつ、朝食が見事!まあ、予約サイトほどには高い評価はありませんが、前回ロンドンのB&Bでインド系経営者の横柄な態度とひどいサービスに苦しめられた分、僕個人としてはかなり満足しました。

まあ、宿の話はこれまでにして。

ウェールズは、中世の名残が色濃く残る場所が多いことで有名ですが、カーディフ自体は既にかなり現代化されたとてもきれいな街です。街自体がコンパクトにまとまっていて、その割には立派なショッピングモールがでーんと構えているなど、ボーンマスよりも使いやすい街だな、というのが小鴨と僕の共通の結論。

そして、一歩郊外に足を向ければ、中世風に再建された城を含めてそれなりに見ごたえがある城が点在しています。今回は、時間の関係でカーディフからバスで簡単に行ける場所をピックアップしました。

まずは、カステル・コッホ(Castell Coch)。
諸事情により近くに行くバスに乗り遅れた僕たちは、鉄道に乗って(相変わらずの2両編成ディーゼルカー)最寄り駅で降りました。
カーディフで入手したリーフレットでは、そこから2.5kmということでしたが、道が分かりません。で、ちょうど犬を散歩していた夫婦(?)に聞いたところ、「この先のラウンドアバウト(ロータリー)を左に曲がったpath(小道)を上がっていけば、『眠れる森の美女』のようにそびえる城が見えてくるよ」とのことでしたので、文句なくpathへと足を運びます。思いがけずも英国のフットパスを経験することとなり、新緑と咲きこぼれる花々が美しい春の山道を上っていったのでした。こんな具合に。




そして…



森の中に急に(かつ無機質な面持ちで)現れたタワーは、ちょっと不気味にすら感じました。
近づくと、こんな感じ。僕らは裏から入ってきたのでした。ついでにだいぶ近道したようです。


で、正面は、こんな感じ。


ものすごく中世っぽい感じがしませんか?この城自体は、廃墟となっていた中世の城をベースに19世紀に再建したものですが、中の部屋はどれもこれもとても美しく、本当に見ごたえがありました。





で、次は、バスを乗り継いでケーフィリー城です。
今度の城は、既に廃墟となった城ですが、周囲を堀に囲まれ、とても美しいたたずまいです。




で、これらの郊外の城をめぐった翌日、市内の最大のランドスケープであるカーディフ城に。
ガイドブックでは1時間そこそこでOKのようにかかれてましたが、あにはからんや、じっくり音声ガイド(日本語も中国語もあるので便利です。)を聞きながらだと2時間は余裕でかかってしまいます。

正面。右の城壁の下のほう、赤いレンガの下部は、ローマ時代の遺構だそうです。その上は、19世紀に当時の所有者が再建したとのこと。


城壁の中の城。ここが城主の住まいだったとのこと。



左の塔のようなものは、ノルマン王朝時代に起源を有するkeepと呼ばれる砦です。これも城壁の中にあります。


城の中の部屋の一つ、アラビアの間。とりあえず天井の様子だけアップしておきますが、実際は部屋全体も豪華極まりなし!一見の価値ありです。


大広間。19世紀に中世様式に作り直したものとのことですが、写真では十分その迫力が紹介できないのが残念です。



keepの上から。ここからは、カステル・コッホを見ることができます(赤い円で囲った場所)。カーディフ上もカステル・コッホも同じ所有者(ビュート侯)が保有していたとのこと。

※※※

中世といえば、かつては暗黒の歴史のように語られてきたようですが、中世だって光があり、緑があり、人が笑っていたはずなので、決して黒歴史のように語られるべきではないことはいうまでもありません。
でも、現代に比べて確かに「闇」が多く、その「闇」に対する人々の本能的ともいえるかもしれない畏れ(怖れ?)ってのが強かったのかな、とも感じます。今回、こうやって中世の名残を残す城をめぐっていると、そういった「闇」が確かに存在していたこと、それだからこ人々がいかに光をすばらしいものと感じていたか(光は時には「神」すらも代弁していたのでしょう)、ということをそこはかとなく感じたのでした。

闇と光と人間と。
カステル・コッホにて。

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