うーん、まあ、イギリス王太子はThe Prince of Walesと呼ばれるので、知らない、ってわけじゃないとは思うのですが、中世に早々にイングランドに併合されたという歴史的経緯もあり、いまいち日本人にはなじみが薄いことは否定できないんじゃないかな、と。
となればマイナーなものを好むこのmimakiirihkoとしてはまさにドンピシャの場所となるわけで、この復活祭休みを利用して行ってきましたウェールズ。とはいっても、時間の関係で首都のカーディフとその周辺のみでしたが。
カーディフまでは、ロンドンからは都市間高速列車のようなもので2時間ちょいで行けるのですが、ボーンマスからは直線距離はそう遠くないのに3時間以上かかります。おまけにこのイースター休み中に経由地のサザンプトン(Southampton)あたりで鉄道工事をするということで、ボーンマスからサザンプトン近郊の駅(イーストレイ/Eastleigh)まで代行バスで行くということになり、結局4時間以上の長旅です。大体、イギリスの交通機関はちょうど東京のそれと似ていて、ロンドンとそれ以外との都市間連絡は非常に良くできているのですが、「それ以外の都市間」を連絡する交通機関がいまいち具合が良くないのです。
ともあれ、イーストレイからカーディフまで乗る列車は、First Great Westernという会社の列車です(イギリスの鉄道は、いわば上下分離方式を取っていて、1つの線路の上に複数の鉄道会社が列車を走らせています。日本の神戸高速鉄道のような感じです。)。
ここで、ある架空の蒸気機関車をすぐに連想できたら、あなたは相当の病気でしょう。
…ダック、ってご存知ですか?
そう、ウィルバート・オードリーの「汽車のえほん」シリーズ(もっと分かりやすくいえば機関車トーマスのシリーズ)に出てくる機関車です。
このダック、自分がかつて大西部鉄道にいたことを折に触れて自慢するのですが、この大西部鉄道は、まさにGreat Westernそのものなのです。もっとも、今のFirst Great Westernがダックの大西部鉄道の直接の子孫ではないようですが、ともあれその流れを引き継いでいる、といっても良いでしょう。なお、今のFirst Great Westernのロンドンのターミナルは、パディントン駅。そういえば、ダックもゴードンたちとの間でロンドンの駅について論争したとき、ロンドンの駅はパディントン駅だといってはばからなかったですよね。
ともあれ、First Great Westernと聞いてここまでを瞬時に連想した相当な病気のわたくしめは、「ダツクなる汽罐車がかくもほこるものなれば、いとめでたきくろがねのみちにやあらむ」と思いつつ、ボーンマスからバスに乗ってやってきたイーストレイの駅で列車の来るのを心待ちにしていたのです。
待つことしばらく、大西部鉄道のカーディフ中央駅ゆきが入線とのアナウンスが!近づいてくる列車の音、そして大西部鉄道がそのベールを脱いだ!
さあ、大西部鉄道のお出ましです!!
※カーディフ中央駅で撮りました。
...orz
これでも、写真はかなりきれいに写ってます。実際は、中も外もかなり汚れていて、かつ、たったの2両編成。ダックが見たら泣くぜこりゃ。
乗らないことにはカーディフに行けませんので、ともあれ乗り込みました。
この路線は、都市間連絡の列車というよりはむしろローカルサービスっぽい雰囲気で、田舎の無人駅にもちょこちょこ止まります。なるほど、時間がかかるわけです。でも、ソールズベリやバース、ブリストルなどを通るので、決してしょぼしょぼのローカル線ではないのですが。
でも、周囲の風景は、とてもきれいでしたよ。特にソールズベリからバースの間には、ところどころあたり一面の菜の花畑になっているところなどがあり、それは見事でした。
ブリストルではスイッチバックをして、列車は一路ウェールズへ。国境の長いトンネルをくぐってとうとうウェールズ入りです。風景が心なしか荒削りに感じられます。そんな中、2両編成のディーゼル列車は、スピードを上げてカーディフに向けて疾走します。
そしてとうとう正午前、カーディフに到着です。
一見、イングランドの大きな街と変わりないように見えるのですが、ノンノン、さすがにここはウェールズ。誇り高きウェールズ人は、英語とは全く異なるウェールズ語も大切にしており、町の標識はどこもウェールズ語と英語の二重標記です。で、カーディフの駅名標もこんな具合に。
上がウェールズ語(ケルト語系)、下が英語です。
で、ここもまた大西部鉄道が古くから運営していた、という証拠が、この駅の建物。
背後にGreat Western Railwayと書かれているの、わかります(Greatは写真では切れちゃってるけど)。ちなみに駅の上にはユニオンジャックとウェールズの旗がはためいてます。
ダックもここまで来たのかしらん?
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