2011年11月27日日曜日

マカオのカジノ

大王製紙の前会長が特別背任で逮捕された、というニュースは、僕にとってもいろいろ興味深いところがあります。

もちろん、それは法的意味においてもそうなんですが、そんな堅苦しいことはこのブログにはなじまないですよね。
それよりはむしろ、借りたカネの使い道。


マカオのカジノで90億円!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111126-00000994-yom-soci


いや、非常に他人事として考えれば、この前会長、実に「男前」ですよ。
いまどきギャンブルにここまでつぎ込むなんてこと、普通の感覚じゃじゃなかなか思いつきませんからね。
一晩に5億ぶち込んだことがある、っていう話に至っては、そもそもどうやったらそこまでぶち込めるのか、とむしろ不思議にすら思うくらいです。


僕も、マカオには何回か行ったことがあり、そうなれば、カジノはもう「必然」のコースなわけです。
特にここ数年は、大規模なカジノがいろいろできたこともあり、そんなカジノのはしごなんてのも乙なものです。おまけに24時間営業!いつでもギャンブルができちゃいます。
そんなマカオの爛れた雰囲気というか、堕落した人間の欲望が街に漂っている雰囲気が、僕は好きなんです。

ま、こんな偉そうなことをいうものの、カジノでは、もっぱら大小とブラックジャックばっかりです。つまり、堅実にやれば勝率を五分五分に持ち込める「安全」なギャンブルです。実際、2009年の年末に大小でバカヅキした以外は、ほぼ収支トントンですし、投下資本自体も大したことありません(たとえ全部すったとしても、「あー、1日この雰囲気で適度に遊ばせてもらったな」と納得できる程度の額です。)。

でも、カジノの中には、そんな「お遊び気分」ではない人たちがいるのもまた事実。
特にバカラ(百家楽)のテーブルには、そんな「マジ」な雰囲気が濃厚なように感じます。

話によれば、バカラが一番ギャンブルとして面白いのだそうですね。でも、僕は、幸か不幸かバカラのルールを良く知らないので、ギャンブラー(もはや「博徒」!)たちが真剣なまなざしでカードを見つめる濃厚な雰囲気を横目に、ただ通り過ぎているだけです。

ところで、大王製紙の前会長殿は、マカオではバカラの高額テーブル(つまり、賭け金の最低額が高額に設定されているところ)におられたとのこと。これはもう、前会長殿が遊びを越えた「マジ」なギャンブラーであったことを如実に示すものではないか、と思うのです。

高額テーブルの賭け金最低額がいくらかちょっと忘れましたが(HK$500とかHK$1000とかかな?いや、本当のVIP席ならそんなはした金ではないかもしれませんね。)、僕などは、賭け金最低額がHK$100(まあ、1000円ちょっとくらいかな。今だと。)の「普通の」テーブルでチップを出してベットするだけでも「おえー、このチップHK$100なんだよな。成都ではタンタン麺30杯は堅いよな」なんて考えてしまうわけです。

…いや、これは、やっぱり小市民的発想なのかなぁ。特にタンタン麺換算をしてはいけませんな。

でも、実際問題恐ろしいのは、カジノにしばらくいると、HK$100のチップが次第に1円以下の価値に思えてくることです。つまり、チップは、それが表章するべき金銭的価値を失って、単なるプラスチックの円盤に見えてきてしまうのです。ちょうど、パチンコ屋でいうパチンコ玉のようなものですね。なので、負けが込んでもその場では余り痛みを感じず、更にお金をつぎ込んでいってしまう人の気持ちも分からないわけではありません。カジノのあの雰囲気は、確実に人間をそういった堕落の世界に導いてくれます。
僕は、そこをタンタン麺換算法を駆使することにより、なんとか理性を保っているわけです。なので、やっぱり1杯3元ほどの成都のタンタン麺に感謝をしなければなりませんねちとしつこいか?


タンタン麺はさておき。

それにしても、帝王学を学んだ大企業の創業者一族の御曹司ともあろう人が、何でマカオのカジノだけで90億!と思うかもしれませんが、もしかしたらそういう御曹司だからこそ、あの堕落した雰囲気に身も心もどっぷり飲み込まれてしまったのかもしれませんね。まあ、そうだからと言って、彼をかばうつもりも全くありませんけど。

一方、御曹司ではない僕としては、昔水戸黄門で見た、風車の弥七が堵場のシーンで見せた粋な姿(「うーん、今日はついてねぇや、ここで切り上げるぜ!」的なセリフと共に)を見習いたいものだな、と感じたのでした。適度に遊んで適度に切り上げる、ってやつですな。

「男前」な遊びは、決して「粋」ではないわけで。
僕の目指すべき方向は、「男前」な遊び人ではなく、「粋」な遊び人!

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