2011年8月7日日曜日

学問の都にて

C嬢滞在中の先週日曜日、みんなでこれまで行ったことのない場所に行こう、ということになり、選んだ場所はケンブリッジ。いわずと知れた「学問の都」ですね。

ロンドンからケンブリッジまでは、最速で45分という列車があるようなのですが、日曜日には都合の良い時間にそのような列車はなく、結局、リバプール・ストリート駅発の郊外電車の延長のような列車で1時間20分ほど揺られたのでした。まあ、ちょうど、上野から高崎にいくような感覚かもしれませんね。

ケンブリッジ大学に限らず、イギリスの少なからぬ大学は、日本の大学を引き合いに出して考えるとそのシステムはいまいちピンとこないものがありますが、まあ、それぞれが日本の大学の規模を有するカレッジの集合体としてのユニバーシティがあり、「ケンブリッジ大学」とは、あくまで「ユニバーシティ」を指すわけですね。というわけで、ケンブリッジにはいくつものカレッジがあり、それがいずれもどっしりとした歴史を持って我々を迎えてくれます。


セント・ジョーンズカレッジ。
うーん、重厚感たっぷり。


で、このカレッジで有名なものといえば、このケム川にかかる「ため息橋」。
でも、このため息橋、別に道ならぬ恋に悩む学生がため息をついたとかいうロマンティックなものではなく、ただ、学生が試験を受けるために寮(写真左手)から学校(同右手)に行くときの「あ~いややなぁ~受けたくないなぁ~」という気持ちを表現したものとのこと。この俗っぽさがまたよし。

この日は、ニュートンやホーキングもいる(いた)というトリニティ・カレッジは対外開放されていませんでしたが、もう一つの有名なカレッジであるキングズ・カレッジにも足を運びました。


カレッジの中の教会。いや、とにかく立派でした。


で、こちらが校舎。とにかくこちらも重厚感あふれて、アカデミックなにおいがぷんぷんです。

ケンブリッジといえば、ケム川を小船(パント)で下るというのがハイライトの1つ、ということでしたので、乗ってみましたよ。川から見る各カレッジの風景もまた一興。


上で紹介した「ため息橋」を川から見たところ。船は、この写真にあるように、漕ぎ手が棒を川底に突きながら進めてゆきます。
この写真では分かりませんが、僕たちの船の漕ぎ手は20代前半の元気のいい女の子。もしかしたら大学生のアルバイトなのかもしれません。


この建物などは、中世以来のもののようです。左側の建物の窓が小さいのは、窓の大きさによって税額が決まる「窓税」というのが当時あって、それを極力逃れるためなんだそうです。


でも、この日は、日曜日ということもあり、ケム川は観光客を乗せた船で一杯!船同士がごんごんぶつかるのはしょっちゅうです。特に、観光客が自分で漕ぐタイプの小船は、漕ぎ方が下手なせいであらぬ方向に進んだり、川の流れに対して直角になったりと、渋滞を一層激しくする要因になっていました。


他の多くのイギリスの川と同じく、ケム川にもたくさんの小鴨の親戚が!
船に乗ると、それこそ水鳥たちと同じような目線で風景を見ることができるのが新鮮です。

街には、こんな人も。
いや、パフォーマンスとしては十分人目を引くので「あり」なのでしょうが、臭くないかなぁ、ゴミ箱の中。

まあ、こうやってケンブリッジを1日楽しんだわけです。
で、僕は、これから大学に通うということもあり、この学問の薫り高きこの街がとても魅力的に思いました。ここにいれば、きっと歴史の重みの中で学問に打ち込むことができるんだろうな、って。
…でも、これまで社会の中で実務家としてやってきた立場としては、このように「学問的に純化」することについてどことなく抵抗を感じちゃうんですよね、正直なところ。というのも、僕がこれまでに扱ってきたもの(そしてこれから勉強をしようとするもの)は、常に社会のダイナミズムに左右されるものということもあり、自分自身がそういった空気を常に肌で感じていなければ、たとえすばらしい教授がいようとも自分の身につかないのではないか、と思うから。逆に言えば仮に僕がもっと別の分野(うーん、例えば文学とか?)ならば、こういった学問の都でじっくり腰を据えるってのは、十分ありだと思うんです。
まあ、そういうこともあり、また、僕の行く大学の近くあたりをふらふらしながら、今の僕にとっては、ロンドンで学ぶ、ってのは、いい選択だったのかな、と改めて(自己満足ながら)思ったのでした。
…生活費は格段に高いけど(T_T)

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