でも、通っていた大学(の教養課程)の校舎が渋谷に比較的近かったこともあり、渋谷は(住んでいた路線のターミナルである)新宿よりも頻繁に行く繁華街になり、しばらくすると渋谷が自分自身にとって東京で一番なじむ感じがするようになりました。
それからは、特に何かするわけではなくとも、センター街から宇田川町交番の方に、そして更にスペイン坂を上がったりするのは、何となく心がウキウキする感覚を覚えずにはいられませんでした。
…ちょうど大学生の頃にはやっていた小沢健二の「痛快ウキウキ通り」の雰囲気のように。
まあ、「プラダの靴が欲しい」というような彼女がいたわけでもなく、「喫茶店で独りワインを飲んで」いたこともないけどね。
大学を卒業し、各地を点々とするような生活になってからは、東京に住んでいた時すら余り足を向けることがなくなってしまいましたが、それでも渋谷は大学生の頃を思い出させる懐かしい街であることには変わりありません。
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この間、持っているスマホのOSを更新したのですが、その際にもう少しこのスマホを有効活用しようと思い、PCに入っている音楽をちょっとためしにインストールしてみました。で、その中の1枚が小沢健二の「刹那」。2曲目にはかの「痛快ウキウキ通り」が入っている、アレです。
で、昨日、バービカンでの授業が終わった午後8時、小鴨がランゲージ・エクスチェンジを終えてTottenham Court Roadの辺りにいるということだったので、そこまでダイレクトに行けるセントラル線に乗るためにセント・ポール駅まで歩いてゆきました。バービカンの駅をかすめて南に足を進め、ロンドン博物館のところにあるロータリーを右に入って道なりに更に南下。と、セント・ポール寺院のドームが目に飛び込んできます。ちょうどその時、「痛快ウキウキ通り」が耳に飛び込んできたのでした。
このスマホ、やたら重低音の出力がしっかりしていて、もともとベースラインを効かせつつ生っぽいレコーディングをしている(と僕が勝手に思っている)オザケンの音がより耳にごつごつと訴えかけてきます。で、そういうベースラインに耳を委ねていると、曲に乗せられて気分が乗ってきます。歩いている雰囲気も、ちょうどこの曲のPVのようなような(でも、あくまでも脳内の話。実際にやったらただのヤバい人だし。)。
セント・ポール駅に向かう道。どちらかといえばビジネス街なので、夜8時ともなればややひっそりすらしていて、センター街のような賑やかさはありません。でも、冷えた冬のロンドン空気の中、セント・ポール寺院のドームを目指して歩いている自分にとって、その道は、その時は、間違いなく「痛快ウキウキ通り」なのでした。
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