2012年2月4日土曜日

複数言語環境その2

タイトルの理由は、同じタイトルで以前書いたことがあるから。
ただ、今日は、以前のように英国を語るのではなく、自分自身のこと。

母語以外の言語を話す時ってのは、往々にして脳内で母語との変換作業を行うわけですが、これも慣れてくればその変換作業もかなり減ってきます。つまり、その言語が複雑な思考回路をそれほど経ることなく出てくるようになるってことです。ま、僕の場合には、ネイティブレベルに達することは端からあきらめていますので、「日常の基本的なコミュニケーションと仕事に堪え得る程度のレベル」においてですが。

まあ、30を越え、酒でいかれた脳には、このようになるまでは相当時間がかかるわけですが、中国語の場合には、上海駐在の終わり頃には何とか目標とするレベルまでは概ね達したのかな、という感じだったかな。翻って英語の場合には、本格的にやりだしてからまだ2年弱ということもあり、正直どのレベルなのか分からないのですが、ただ、今のところは、中国語のようには自由に表現できない(否、もしかしたら、英語の方こそ中高時代の基礎があるためにより複雑な表現を求めようとしているが故の苦しみなのかもしれません。)ような気がしてならないのです。まあ、ぱっと言葉を変える際に、中国語のほうが滑り出しがよいかな、という感じでしょうか。

で、最近困っているのは、次の2つ。
まずは、日本語―外国語のコンバートは、比較的流れに乗ってやりやすいのですが、外国語―外国語のコンバートは非常に難しい(文法から語彙からごちゃごちゃしてしまう)こと。例えば、この間の話。僕の論文のテーマのことでマレーシア(華人)と話をしていたのですが、そもそも日本語ですらちゃんとまとまっていないアイディアを英語で話すのは至難の業で、僕があーうー言っているのに業を煮やした彼女は「中国語で話して」とリクエスト。でも、中国語に切り替えても英語とごっちゃになったり、適切な中国語の表現が浮かんでこなかったりしてより混乱してしまい、会話にならずに大恥をかいちゃいました。
でも、これは外国語学習という側面からは比較的面白い話なのかもしれません。つまり、外国語を複数やると、当初は、外国語相互間に絶対的な優劣がつきます。なので、劣勢の外国語から優勢な外国語にコンバートすることはさほど難しいことではなく、逆に優勢から劣勢へのコンバートはほとんど不可能になる(優勢外国語がほぼ完全に支配する)わけです。ところが、当初劣勢であった言語に次第になじんでくると、その優劣のギャップが小さくなり、そうなってくると、相互に相手の言語が侵入しあったり、「どっちの言語で考え、話しているのか」分からない状態になってしまったりしてしまうわけです。おそらく僕は今中国語と英語に関してはそんな感じの状態で、これを抜ければトライリンガルへの明るい世界が待っているのでしょう。
でも、それは難しいんだろな…。
つか、もっと英語を話さないと(今僕に一番かけているのは、スピーキング!)…。

で、2つ目。
家では普段日本語を使っているのですが、小鴨との間で単発的に出てくる中国語の語彙は、往々にして(冗談で言い合っていることもあり)四川語のアクセントが多いんですよね。それに加えて、小鴨が電話で誰かと話す場合でも、まず四川語なわけで、どうも僕の中国語がどことなく四川語のアクセントっぽくなっているらしいのです。
それが証拠に、この間の春節の日、小鴨が上海時代の同僚(僕も知っている人です。)にあけおめコールをしたのですが(相手は西安人なので、普通話での会話です。)、その後電話を替わって僕が行った第一声「新年快楽!」が、どうも四川っぽいアクセントになって不自然だと自分で感じたとともに、その友達も「Mimakiirihikoの中国語、なんだか四川っぽい」といわれてしまいました。

うーん、いかんいかん。

0 件のコメント:

コメントを投稿