2012年1月22日日曜日

崇徳院

瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ

まあ、百人一首でも有名な崇徳院の歌ですね。落語の「崇徳院」でなじみのある人もいるかもしれませんが。

ご存知のとおり、この歌はもともと恋の歌なのですが、「時の流れの速さに逆らえず分かれざるを得ないが、いつかきっと再会したい」というこの歌の基本的な骨格は、僕が上海のオフィスを去るときの感慨に不思議なほどフィットしました。なので、スタッフを見送って誰もいなくなったオフィスの会議室のホワイトボードに、そういった思いをこめてこの歌を大書して事務所を後にしたのでした。なんか空っぽになった心とともに。
…うーん、今から思えばかなりこっぱずかしいことなのですけどね。感傷的な心情というものは恐ろしいものです。

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先週の金曜日、上海時代のスタッフからグリーティングカードがやってきました。
当時のスタッフの中には既に退職した人もいるのですが、そういった人たちからもおそらくメールベースでメッセージを取り付けて残っているスタッフが代筆するという念の入れようです。
そして、それぞれの言葉を見ると、僕の知っている彼女らの個性が溢れ出ていて、自分自身があたかも上海時代の自分に戻ったような錯覚にすら陥りました。

そして、そのうちの一人のメッセージを見ていると、最後に日本語で、「水の流れがきっと世界のどこかで合流して1つになる~~(^_^)」と書いているではありませんか!この子、僕のホワイトボードの落書きを覚えていたんですね…。
一瞬「おおっ!」と思い、次に「恥ずかしいっ!」と思い、そして「ありがたいっ!」と思ったのでした。

で、各人へのリプライをここに。
Z嬢: 昔と変わらず色々気にかけてくれてありがとう。まじめに勉強してますよ。学生身分は、ある意味仕事のプレッシャーと比べれば楽なものなのでしょうが、楽ということはありません。特に、大学院に入ってからは。Zさんも自分の夢に向かってがんばってください!

X嬢; イギリス生活も2年目になると、不便ということはあまりなくなりましたが、個人的にはやっぱりアジアがいいなあ、と思ってます。酒はビールやワインがメインで、中国の酒はなかなか飲めません。旅行は色々しましたが、運動については…聞かないで!

GWY嬢:歌はねぇ、歌ってないんですよ。ちょっと考えたこともあるんですけどね、歌うんならちゃんと練習しなくちゃいけないし、そうするにはあまりに時間が短すぎるしで。ともあれ、今年は必ず上海に行く用事があるので、そのときにみんなで食事をぜひ!

W嬢: 四川料理!こちらでも食べられないことはありませんが、やっぱり中国で食べるのが一番ですね。渝郷人家、品川、海底撈、川国演義…思い出しただけでよだれが出そうです。そうそう、ロンドンでは上海料理が食べられないんですよ。だから、それもいいな、と。

GWJ嬢:写真とかではあまりわからないかもしれないけど、上海の頃より少なくとも3キロは痩せてます。おそらくイギリスに来た当初、食事をほとんどせずに歩き回ってどーんと体重が落ちたからかもしれません。なので、今はあなたが描いたパンダのようにはかわいくないかも!?

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今日の午後4時、中国時間で春節を迎えました。
小鴨にとってはやっぱり春節こそが新年という気持ちが強いため、朝から気合を入れて四川料理を作っていました。部屋も、少しばかりチャイナタウンで買ってきた飾りをつけて、インターネットで中国中央電視台の年末恒例の演芸番組を流し続けて、午後4時きっかりに食事をしました。ヌーシャテルで買ってきたピノ・ノワールと共に。

でも、今年の春節は、いろんな意味で特別です。単に歳が改まっただけではなく、その他の面で大きな変化もありましたから。何かこう、心がまっさらになったような、そんな気すらします。
そういったさまざまな流れの中でも、彼女たちは昔と変わらずにメッセージを送ってくれたことに、本当に感謝しています。

だから、今年、絶対、彼女らと「あはむとぞ思ふ」!

新年快楽!

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