2012年4月12日木曜日

情報の対価

イギリスの新聞というのは、ご存知の方も多いと思いますし、ずっと昔にブログでも触れたことがあるように思いますが、高級紙(broadsheet)と大衆紙(tabloid)に分かれていて、特に高級紙の場合だと思うのですが、何を読んでいるかでその人の政治志向まで分かってしまいかねない代物です。一方、大衆紙は、使っている言葉もかなり砕けていて外国人にはすぐには分かりにくいし、ナイスバディなおねえちゃんのヌード写真があったりするので(まあ、おはようサンスポなどは、ここらあたりにヒントを得ているんでしょうね。)、それはそれで「愛読紙」というのにはやや気が引けてしまいます。

で、ロンドンの一般市民は普段何を読んでいるのか、と言えば、僕が認識する限りでは、おそらく駅で手に入るフリーペーパー。普通の生活をするのに十分な情報が一通りそろっているので、敢えてお金を出して新聞を買う必要もない、ということなのかな。まあ、職場とかでは高級紙を読んでいるのかもしれませんけどね。

ただ、フリペは所詮フリペ。あまり仕事に関係するような内容はありませんし、何よりもタダな分、みんなの取扱いも非常に雑です。というわけで、ラッシュアワーが終わった後の地下鉄がフリペの山ということもよく見られる光景で、地下鉄側も「アナタが読んでいるその新聞はゴミです」なんていう啓発広告を出さねばならなくなるわけです。

かく言う僕は、ロンドンに来てからの愛読紙をフィナンシャル・タイムズ(FT)にしています。ボーンマス時代は比較的中立に近いインディペンダントを読んでいたのですが、僕が欲しい経済情報となると、やっぱりFTにかなりのアドバンテージがあることが分かり、乗り換えました。
でも、FTはとにかく高い!普通の高級紙が1ポンドであるのに対して、2.5ポンド!ちょっと前までは2.3ポンドだったのがしれっと値上がりしてこの値段です。

そうなると、(本当は毎日読みたいし、そうあるべきなのでしょうが、)学生身分ではやっぱり買うのに二の足を踏んでしまいがちになって、週1ペースとかになってしまっていましたが、最近、僕の仕事のフィールドにかかわるいろいろな動きが激しいことから、ほぼ毎日買うようになっています。

結局、自分の欲しい情報は、カネを出して買いなさい、ってことなんでしょうね。

それにしても、大分英語を読むのに慣れてきたからなのでしょうか、FTの記事は本当に興味深く読まされるものが少なくありません。日本の新聞が(いろんな事情からか?)載せないような記事まで深い分析がなされていたりすることもあり、情報の対価としての2.5ポンドは、それはそれで概ね妥当なんじゃないかな、と思うわけです。

さあ、そうなると湧き出てくるのが「日本に帰っても読みたいなぁ」という願望。僕のオフィスでも取っているのですが、個人でも取ろうかと検討中です。で、調べたところ、年間購読料約10万円!!

情報の対価は、決して安くないことは分かるものの…、ねぇ。

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